ピアノ協奏曲第21番ハ長調 3
二短調と同じように交響的な充実感も充分にあり、ウィーン時代のモーツァルトの熟達した筆の動きは、驚くべき確かさをも示しているのである。
オーケストラの編成が、あの最後の《ジュピター》交響曲とまったく同じであるということも、何か象徴的に感じられないではない。
なお、書きあげられたこの作品は、三月十日にウィーンのブルク劇場でモーツァルト自身によって初演されたが、この時のコンサートに列席していた父レオポルトは、その成功を涙とともに喜んだと伝えられている。
この作品が歓迎されたことをも思わせているが、しかし、この話を実際に立証し得る資料はない。