ピアノ協奏曲第22番変ホ長調 3
この協奏曲の演奏では、内田光子とテイト指揮イギリス室内管弦楽団のものがたいへん美しい。
内田光子のモーツァルトは、じつに細かいニュアンスを加えながら美しい音楽の綾を表現していくのが特色で、作品によってはロマン的情感が強すぎると思われることもあるが、この曲ではむしろそうした特色が作品の性格とじつによくマッチしている。
第一楽章のオーケストラの主題提示部のあと、この曲には十六小節の独奏ピアノのアインガング(指ならしの部分といってもよいが)があるが、この部分の音色の美しさや洗練された表現にまず魅了される。
またハ短調の第二楽章におけるニュアンス豊かな表情付け、あるいは第三楽章の軽快さばかりに走るのではない、しっとりとした味わいの表出など聴きどころが多い。
またとくに第三楽章ではクラリネットが活躍し、この編成の特色がもっともよくわかる部分ともなっている。